マンションカラーリノベーション-リビング・キッチン-

分譲マンションの一室を賃貸したいというご依頼でした。
水回りのみ業者に工事をしてもらい、後は予算を抑えて印象を良くしたいとのご希望のため、間取りを変えるリノベーションは行わず塗装によるカラーリノベーションで対応。配色計画だけでなく、DIYで塗装を行なった事例です。

課題(リビングのビフォー)

一般的な白い内装で、空間全体の印象がやや単調。経年の汚れも目立ちます。
キッチン奥には鮮やかなグリーンのタイルが使われていますが、白い壁と調和していません。

見立て

新しく何かを足すのではなく、既存のグリーンタイルを主役として活かすことを考えました。
また、キッチンの木部やシステムキッチンにはライトブラウンが使われていたため、

  • グリーン
  • ライトブラウン

の組み合わせをベースに色彩計画を検討しました。

提案

キッチン側には、鮮やかなオレンジを採用。
一見大胆な配色ですが、ライトブラウンとは同系色であり、温かくて調理するスペースには適した色であり、
垂れ壁によるクローズなキッチンスペースに明るい印象を加えます。
既存のグリーンタイルとの補色関係によって、互いの色が引き立つ組み合わせとなっています。
さらにリビング側の壁には、オレンジと同一色相のクリーム系カラーを採用しました。
これにより、空間ごとに表情を変えながらも、全体として統一感のある色彩計画となっています。
ドアはクリーム色と類似トーンですが色相のコントラストがあることでアクセントとなっています。

印象設計のポイント

色は単体で考えるのではなく、

  • 既存の素材
  • 光の入り方
  • 隣接する空間とのつながり

を考慮しながら選定します。既存のグリーンタイルを取り替えるのではなく、その魅力を活かしながら空間全体の印象を整えました。

結果

白を基調とした無難な印象から、個性がありながらも調和の取れた空間へ。
既存の素材を活かしながら、色によって空間の魅力を引き出すことができました。
床は汚れていましたが、丁寧に清掃を行うだけで清潔感がアップしました。

この事例で大切にしたこと

このマンションでは、既存のグリーンタイルだけでなく、フローリングやシステムキッチンの色も活かすことを前提に色彩計画を行いました。
古い物件では「全部隠す」「全部交換する」という選択肢が取られがちですが、素材そのものに魅力が残っている場合は、活かせる部分をベースに、そこに合わせて配色を考えています。