カラーリノベーション事例-空き教室 後編

Nさんが当時指導員として関わっておられた卒業校「大阪市立大学(現:大阪公立大学)」は、私の実家近くにあり、幼少期から馴染みのある場所でした。
建築学科のゼミで、カラーの講座をさせていただき、学生さんと共にワークショップの計画に参加。
中学校でのワークショップは、確か計5日間位だったと思います。実践編ではエアコンのない室内でよく頑張ったものです。

中学生にも、色彩学のレクチャーを行ったのですが、吸収の良い若者たち…
大学生と中学生ミックスのチームに分かれてリノベ案を練ってもらったとき、早速「色相環」というワードを使ってくれている子もいました。

中学生の案から投票一位だったものを、大学生がブラッシュアップし、大胆なカラーチェンジを行うことに。
ちなみに、床にも同じ塗料で塗装してますが、本来はオススメしません(笑)

そんなこんなで完成しました。不思議な幾何学に塗装されているのですが、これはある一点から教室を見た時に、長方形に見えるというトリックです。

その一点というのが下記です。まるで画像加工したみたいですよね!

こちらの教室リノベーションは大好評で、翌年も別の空き教室の依頼がありました。
そちらは第二の図書館(メディアセンター)とお茶室として生まれ変わりました。壁の色は薄いグレイが、私の居ない時にチョイスされてしまってたのですが…塗り直してもほとんど見た目に変化なしでした。

「色だけで」ここまで変化するんだ!という発見は、今も公立大学で講師として研究職を行っておられるNさんにも強いインパクトがあったようで、つい先日、研究発表の場に参加させていただいたときに事例紹介されていたのは、一年目のこちらリノベーションでした。

ちなみに、色彩心理についてもレクチャーしましたが、後日談では暖色系であるオレンジや黄色に塗った場所に生徒たちが集まり、ブルーにはほとんど行かないということでした。面白いですね。

学校の黒板つまり緑板の上から別の黒板塗料で塗装するなんて、改めて見ても大胆ですね〜。

大正区とは、沖縄からの移民の方が多い地域として有名なのですが、大阪市の端の方にあって人口減少が著しい場所とされていました。まちづくりキャンプが行われた後には、ECショップで大人気の「壁紙屋本舗」さんのオシャレ過ぎる社屋ができたり、大正駅前の川沿いに「TUGBOAT_TAISHO」というオシャレ過ぎるスポットができたりして徐々に変化をし、つい最近関西で住みたい街の3位にまで浮上したそうです。
2月に大阪に帰省した際、まちづくりキャンプで指導をしてくださり、こちらの施工も担当されたSHU建築さんも含めて再会しました。

建物が人を変え、人が街を変えて行くのが素晴らしいなあ…と思います。